CAE技術情報局

「CAE技術者のための情報サイト」の管理人JIKOのブログ。CAE技術者、機械系技術者向けの技術情報、ホームページの更新情報などを掲載していきます。
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道具としてのCAE

CADもCAEも設計の道具です。大工さんで言えば金槌やノコギリなどと同じです。当たり前の話ですが、金槌やノコギリなどの道具の使い方だけ習得しても立派な家を建てることはできません。しかしそれらの道具の使い方を知らなければ家を建てることすらできません。

道具の使い方にもいろいろノウハウがあると思いますが、目的は家を建てることなので、それらのノウハウはできるだけ共有して本来の仕事(家を建てること)に専念できるようになればよいですね。

大工さんの分野ではどうか解りませんが、CAEの分野では残念ながらそのようなノウハウを簡単に手に入れることは難しいかもしれません。私もそうでしたが、CAEを初めて実施する人は右も左も解らずとりあえずやってみることから始め、色々失敗しながら学んでいくというプロセスを踏むことが多いです。もちろん、各種技術セミナーを受講したり、地道に書籍などを読んだりすればある程度は身に付きますが、かなりの労力と費用がかかるのが現状だと思います。

私の考えとしては、CAEという道具を使うに当たって必要な技術やノウハウなどは、皆がどんどん公開し、誰でも簡単に参照できるようになればいいなぁと思っています。もちろん社内の固有技術以外の一般的なノウハウとなると思いますが・・・。

もしそのようなノウハウが誰でも簡単に手に入れられるようになれば、CAEを利用する技術者は解析上のどうでもいいことで悩む時間が減り、本来の仕事(製品開発)に注力できるようになるのではないでしょうか。

また、世の中には色々な業界がありますが、少なくとも業界内で必要な解析ノウハウを共有化し、その業界標準の解析モデルというものを構築するのもよいかもしれません。しかし、それでは競合他社との競争力が・・という声が聞こえてきそうですが、メーカーとしては製品の開発に必要な技術については共有化し、それによって開発した製品の"品質"で他社と勝負すればよいのはないかと考えます。

少し話が極端かもしれませんが・・・いろいろ異論もあるでしょう。とりあえず私のHPやブログは、CAEを道具として活用するために必要な技術情報のポータルサイトになれるように頑張りたいと思っています。

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[ 2012/03/21 18:52 ] CAE活用のカギ | TB(1) | CM(0)

CAE技術者の定義

CAE技術者とはどのような人を指すのでしょうか?以前ツイッターでも少し話題になりましたが、ここで改めて私が考えるCAE技術者について定義したいと思います。

これまでCAE技術者とはどのような人なのかについてはっきりししないまま、このブログホームページをだらだらと継続してきましたが、ネット上などでいろいろな人とやり取りする中で人によりCAE技術者に対する認識がかなり異なることが解りました。

そこでこのブログホームページの趣旨を明確にするためにも、まずはCAE技術者について定義したいと考えました。

(注意)
先にも述べましたがCAE技術者に対する認識は人により異なります。ここでは私が考えるCAE技術者の定義を示しますが、必ずしも一般的な定義ではないかもしれません。その点ご理解ください。

CAE技術者の定義

  • (1)現実の現象をCAEで評価できるようにするために、様々な検討を行ってその技術を構築する人。そしてその技術をCAEを専門としない技術者でも使える形で提供できる人(CAE推進)。

  • (2)CAEソフトウェアをツールとして活用して、設計者が行う設計検討を技術的にサポートする人(設計・開発)。
    ここでいうサポートとは、CAEにより現象のメカニズムを分析し、設計者に対して理論的な立場から製品の品質向上に繋がる提案をすること。

  • (3)現物での試験の代替あるいは補助的にCAEを活用し、製品の性能を適切に評価することができる人(試験・評価)。


  • これらのうちどれか、もしくはすべてを満足する人がCAE技術者と定義します。主にはメーカーで製品開発に関わるCAE技術者を想定していますが、その他、ベンダーや請負業者でCAEを扱う技術者についても、何らかの形で上記のいずれかに当てはまるのではないでしょうか。

    (補足)
    CAEソフトウェアを作る人もCAE技術者だという話もありましたが、私はソフトウェアを作る人はソフトウェア技術者であり、その解析理論を考える人は研究者だと考えています。

    またCAEオペレータについては色々議論がありそうですが、主としてメッシュ切りなどのオペレーションを専門に担当する人と捉えており、ここではCAE技術者に含めませんでした。CAEオペレータは言ってみればCAEモデリングの職人であり、CAEを効率的に運用するためには欠かせない重要な職業です。CAE技術者の多くはCAEオペレータでもあります。しかし、CAEオペレータのすべてが必ずしもCAE技術者ではありません。

    ホームページの趣旨

    このブログホームページの趣旨は、今回定義したようなCAE技術者になることを目標として努力する技術者にとって有用な情報提供することです。CAE技術者の役割はCAEをツールとして活用して製品の開発を技術的に支援することです。ツールそのものの使い方はマニュアルを読めば理解できますが、その背景にある技術的な知見はマニュアルには書いていないことも多いです。またそのような情報はネット上でも少ないと感じていました。そこで私のブログホームページでは、そのようなツールに依存しない共通の技術についての情報を提供したいと考えています。

    しかしながら私自身もCAE技術者を目指している身分ですので、実は自分が勉強してきた内容をまとめる場所がほしかったというのが実際のところだったりします。そしてそれが私と同じ志を持つ技術者にとっても役に立てばよいなぁと思っています。

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[ 2011/07/17 07:05 ] CAE活用のカギ | TB(0) | CM(0)

CAEに勉強は必要か(補足)

前回、勉強の必要性について書きました。しかし、そういった技術的知識を持ち合わせていないと解析できないわけではありません。重要なことは技術的な知識を吸収しようという心構えがあるかどうかだと思います。

私も当然ながらすべてを理解しているわけではなく、むしろ解らないことばかりで調べ物ばかりしています・・。しかしこれが結果的にかなり勉強になっています。またそれ以外に、このブログでもいつも紹介している計算力学技術者認定試験を受験することで得る知識も多いです。

今は解らないことばかりでも、常に勉強する姿勢を持っていれば、いつかは有能な技術者になれるのではないかと思っています。私もそれを目指して日々勉強しようとはしているつもりです(最近サボり気味ですが・・)。

公言していますが、このブログホームページは自分の勉強ノートを公開していったことが始まりです。CAEは分野も広いですし、いろいろな知識も必要ですし、大変なことも多いのですが、技術を理論的な観点から学ぶには非常に有効だと思います。『CAEを通して技術を学ぶ』、実は密かにそういったサイトを目指しているのですが、まだまだ先は長そうです・・。

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[ 2011/05/30 22:46 ] CAE活用のカギ | TB(0) | CM(0)

CAEに勉強は必要か

勉強なんて必要ないという人もいますが、CAEを適切に実施する上で、ある程度勉強は必要だと私は思っています。勉強はなぜ必要なのか?そしてそれはどう有効なのか?について考えてみました。

現在のCAE関連のソフトウェアはある意味不完全といえます。それは現実に起こっている現象を完全に再現することはできないからです。これはコンピュータの性能向上によって将来的に解決できる問題もあるかもしれませんが、数値計算上の問題で本質的には解決できない問題もあるかもしれません。

コンピュータの性能に依存する問題としては解析規模(節点数、要素数などいわゆる自由度)の問題があります。私たちが取り扱う製品は多数の部品からなるシステムが多いですが、それらをすべてモデリングして解析することは到底不可能です。また、流体解析などでは小さい渦から大きな渦まですべて解像するには、かなり小さな要素サイズにする必要もあります。つまり、現実の現象を詳細に再現させようとすると解析規模が膨大になってしまいます。これにより解析時間も膨大になり、現実的な期間で答えを得ることができなかったり、そもそもコンピュータのリソース不足で解析できない等の多くの問題が生じてしまいます。したがって私たちは現実的な解析規模になるように、再現したい現象の本質を表現するのに最低限必要な要素だけにして解析を行います。流体解析ではそれに加えて乱流モデルなどの数値計算上のモデル化も行い、できるだけ少ない解析規模になるようにしています。

次に数値計算上の問題として代表的なものが、完全拘束や形状の不連続部に起因する応力集中部の評価に関する問題です。これも現実の状態を再現できないことに一部起因していますが、しっかり知識を持ち合わせていないと、過度な応力集中に惑わされ、適切な強度評価をすることができないこともあります。もしかしたら多くのテクニックを用いれば解決できる問題かもしれませんが、解析規模が増大したり、複雑化によってミスが多く発生したり、更には問題の本質が見えなくなってしまうこともあるでしょう。したがって私たちはそのような過度な応力集中に惑わされないように、母材応力をベースとした評価方法(ホットスポット応力など)を選択するなどして、簡易的ながら妥当な評価をできるようにしています。

CAEは単なるツールです。現実を完全に再現させることが目的ではなく、少なくとも問題の本質だけは評価できるようにして、設計に役立つアプトプットを最低限の工数で出せればよいのです。言葉で書くのは簡単ですが、それがしっかりできるようになるには相当な技術力を要します。このような技術力は実務で経験を積むことも重要ですが、やはり工学や計算力学についての勉強もある程度必要になると私は考えます。

勉強することで現在のCAEツールが抱える技術的な問題は解決しません。その点で勉強は無意味という人もいるでしょう。しかし、勉強することによってツールを扱う人の技術力が向上し、その技術力でそれらツールの抱える問題点をうまく克服することができ、ひいてはCAEを有効に活用できるようになると思います。 またこれは単にCAEの分野に限る話ではなく、より良い製品設計にも反映されることでしょう。そのために私たちは日頃から勉強して技術的知識を吸収していく必要があると考えています。

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[ 2011/05/21 14:45 ] CAE活用のカギ | TB(0) | CM(0)

非線形解析はしないという選択

先日書いたように非線形解析を適切に実施するには、それなりのノウハウが必要になってきてなかなか敷居が高い分野だと私は思います。もちろんソフトウェアのオペレーションが難しいということではなく、解析目的や再現したい現象などに合わせて適切な解析を実行できるようにすることが難しいのです。また、解析モデルはできても発散せずに最後まで解析を終了させることにも労力を使わなければなりません。しかもそれに結構な工数を取られることも多いです。

そういった煩わしいことに時間を取られるのであれば、いっそのこと非線形解析をせず、線形解析の範疇で大まかに検討した方が結果的にうまくいくことがあります。

私たちが扱う工学的現象は基本的に非線形ですが、強い非線形もあれば弱い非線形もあります。弱い非線形に関しては従来より線形に近似をして検討することが行われています。しかし強い非線形に関しても無理やりと言っては語弊がありますが、ある仮定の導入や検討範囲を限定するなどすれば、大まかに線形近似することが可能になります。むしろ設計の上流ではとりあえず右か左かの方向性を決めるに当たっては高い精度は要求されず、大まかに検討できればよい場合も多いです。そんなときは本質的には非線形でもざっくりと線形近似して設計検討に用いることが有効です。

ここで非線形の例を構造解析分野で説明します。構造解析における非線形には、材料非線形、幾何学的非線形、境界非線形があります。

材料非線形

材料非線形の例としては金属材料における弾塑性、ゴムなどの超弾性などが挙げられます。要するにひずみと応力の関係が直線にはならない材料を使った解析をする場合には材料非線形を考慮する必要があります。

幾何学的非線形

幾何学的非線形は大きな変形を伴う現象を扱う場合に考慮する必要があります。例えば長尺物の解析をすると材料のひずみは小さいですが、見た目にも解る程の大きな変形を伴います。線形解析では荷重の方向は変形前の状態を基準に定義されますので、変形が大きくなって荷重の方向が部材に対して変化するような場合には、力のバランスが変化するために幾何学的非線形性が無視できなくなります。

境界非線形

簡単に言えば接触現象です。多くのアセンブリされた製品は接触状態でありますし、落下・衝突現象などはそもそも接触を考慮しないと現象そのものが再現できません。

まずは線形化を検討する

これらの非線形現象をどうやって線形に置き換えるのかがノウハウです。例えば幾何学的非線形解析が必要な大きな変形が伴う現象でも、剛性を評価したいのであれば線形解析における変位の相対評価等で事足りる場合もあります。ゴムのような非線形材料を扱う解析でも、入力される荷重値が限定されれば、その荷重値で接線を引いて線形化するとか、接触についても予め接触する位置が解っているような場合は、剛体要素とその解放自由度の設定をうまく使って接触を模擬することも可能です。

重要なポイントは現象をよく分析して解析する範囲を限定してしまうことです。良く解らないからといってすべてモデル化すると非線形解析を実施せざるを得なくなってしまいますが、範囲を限定することで線形に近似することも可能な場合もあるということです。

うまく線形に近似できれば非線形解析よりは圧倒的に早く解析できますし、計算力学的なことで悩むことも少なくなりますので、本来の設計検討に集中することができるようになります。色々メリットありますので、安易に非線形解析を実施するのではなく、できることなら線形解析に近似することを考えてみてはいかがでしょうか。

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[ 2011/02/18 21:22 ] CAE活用のカギ | TB(0) | CM(2)
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JIKO

Author:JIKO
 とあるメーカに勤め、CAEを担当する技術士(機械部門)。 コンピュータシミュレーションにより製品の強度や性能を評価するのがお仕事。
 CAE技術者のスキルアップを支援する『CAE技術者のための情報サイト』の管理人。
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