CAE技術情報局

「CAE技術者のための情報サイト」の管理人JIKOのブログ。CAE技術者、機械系技術者向けの技術情報、ホームページの更新情報などを掲載していきます。
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過渡応答解析における時間刻みΔtの決め方

ここでは線形の振動解析で用いられる過渡応答解析における時間刻みΔtの決め方についてメモします。
(陽解法動解析におけるΔtの決め方についてはクーラン条件を参照してください)

過渡応答解析においてΔtは解析精度を左右する重要なパラメータで、最大応答を正確に再現できるように十分小さな値とすべきです。

その基準は一般に、解析に用いる固有モードの最大周波数の周期を10分割する程度と言われています。

つまり式に表すと下式になります。

image001_20130219213900.png


Δt:時間刻み、T:最大固有モードの周期


ここで、最大固有モードの周期Tはその周波数fの逆数(つまりT=1/f)として表されます。

(例)

最大モードが100Hzの場合は、

周期は

T=1/100

よって時間刻みは

Δt=0.01/10=0.001[s]

となります。

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[ 2013/02/19 21:42 ] 技術メモ | TB(0) | CM(0)

Q値

Q値は電気工学の分野で発振回路の共振ピークの鋭さを表すパラメータとして用いられているようです。機械系の振動分野でもたまに用いられることがありますのでここでまとめておきます。

振動分野におけるQ値は振幅の増大率として認識しておくと便利です。例えば、Q値=10だった場合、ある構造に静荷重Fを加えたときの変位をUとすると、同じ荷重値Fを固有振動数に一致する周波数で加えた時の(つまり共振時の)変位が10×Uとなります。

Q値を減衰比ζを用いて表すと下式のようになります。

image001_20121127212130.png ・・・(1)


ここでζが十分小さいと仮定すると近似的に下式が成り立ちます。

image003_20121127212131.png ・・・(2)


実務的にはζが~0.3くらいまではこの近似式が成り立つと覚えておくとよいです。一般的にζが0.3と言えばかなり大きいですので、ほとんどの構造では式(2)の近似を適用することができると思います。

式(2)を覚えておくと、Q値=10(共振時の振幅の倍率が10ということ)の場合は、減衰比ζは約0.05であるということが解ります。逆にζ=0.05であれば共振時の振幅は静荷重に対して10倍くらいになると予測することができます。また減衰を変化させたときの振幅の変化も見積もることができるようになります。いろいろ検討するときに便利ですので覚えておいた方がよいでしょう。

ちなみに応答のピークにおける減衰比ζと構造減衰係数G、Q値の関係は下式のようになります。

image005_20121127212131.png ・・・(3)


減衰比ζではなく構造減衰Gで考える時は上式で換算することができます。

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[ 2012/11/27 21:28 ] 技術メモ | TB(0) | CM(0)

振動の複素数表現について

振動の解析では良く使われる複素数表現についてまとめておきます。
振動解析では、ある振動を表す関数xを振幅の大きさZとして下式のように表します。

image001_20121101222407.png・・・(1)


この時eiωtオイラーの公式と呼ばれ、下式のように表すことができます。

image003_20121101222406.png・・・(2)


式(2)を式(1)に代入して展開します。

image005_20121101222406.png・・・(3)


ここで、Zを単なる実数の振幅ではなく、複素数を用いて定義してみます。

image007_20121101222405.png・・・(4)


Zの大きさ|Z|は下式になります。

image009_20121101222404.png・・・(5)


解析ソフトウェアにおいて、例えば入力荷重の振動振幅を定義する際、実部と虚部をそれぞれ入力できるようになっていることが多いですが、これはまさしく実部をA、虚部をBと定義していることになります。その大きさは式(5)で表されます。

この意味を理解するためにさらに計算をしてみます。式(4)を式(3)に代入します。

image011_20121101222404.png・・・(6)


式(6)を少し整理して実部と虚部に分けます。

image013_20121101222433.png・・・(7)


ここで振動現象に複素数を扱う時の考え方として、” 虚部は無視し、実部のみが物理的な現象を表していると考える”というのがあります(詳しくはこちらを参照)。

そこで式(7)の実部のみを抜き出します。

image015_20121101222433.png・・・(8)


ここで、三角関数の合成の公式を用いると、

image017_20121101222432.png・・・(9)


image019_20121101222431.png・・・(10)


つまり、このように複素数(実部A、虚部B)で振幅を定義することで、振幅はもちろん位相も自由にコントロールすることができるのです。振動現象に複素数を用いることは一見解りにくいところもありますが、慣れてしまえば非常に便利な表現です。

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[ 2012/11/01 22:46 ] 技術メモ | TB(0) | CM(0)

周波数応答解析におけるΔfを見積もる方法

周波数応答解析おいて応答のピークを精度よく算出するためには周波数刻みΔfをどのくらいにするかが重要になります。Δfを大きく取り過ぎると応答のピークを逃してしまいますし、逆に小さすぎると計算時間が無駄にかかったり、アウトプットファイルが増大してしまったりなどそれはそれで問題があります。

適切なΔfはハーフパワー周波数の間に5~10の計算点が確保できるようにします。計算点の数をmとしますと、ハーフパワー周波数の間はm-1に分割されることになります。これを式に表しますと、下式(1)のようになります。ちなみにハーフパワー周波数などの定義については「周波数応答関数からモード減衰比を求める方法」を参照してください。簡単な図を用いて説明しています。
image001_20121020212416.png ・・・(1)

Δf:周波数刻み、f1、f2:ハーフパワー周波数、m:計算点の数

ここで、「周波数応答関数からモード減衰比を求める方法」でも紹介した下式(2)を用います。
image003_20121020212415.png ・・・(2)

ζ:モード減衰比、f1,f2:ハーフパワー周波数、fn:固有振動数

上式より、ハーフパワー周波数の差f2-f1は下式(3)のようになります。
image005_20121020212415.png ・・・(3)

これを用いますと、式(1)は最終的に下式(4)のようになります。
image007_20121020212414.png ・・・(4)

通常、モード法で周波数応答解析をするときは事前に固有値解析を実施すると思います。そして各固有振動数に対するモード減衰比を定義して周波数応答解析を実施します。この時、固有振動数fnと与えるモード減衰比ζから式(4)を用いてΔfを見積もることができます。mは5~10程度を採用します。各モード(すべてのモードではなく主に着目するモードについてだけでも良いかも知れません)に対してこれをΔfを計算し、もっとも小さいΔfを採用します。

(追記)
解析ソルバーによっては、固有モード周波数を基準としてその間の計算点の数として間接的にΔfを設定できるものもあります。その場合、共振の応答ピークを逃すことがありませんので、必ずしもこの考え方に従う必要はありません。

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[ 2012/10/20 21:38 ] 技術メモ | TB(0) | CM(0)

固有値解析におけるメッシュサイズの決め方

固有値解析において必要なメッシュサイズは、一般的に固有モードの腹に対して5~10の節点を配置すべきと言われています。1次要素の分割数で言えば6~11分割程度となります。

例えば単なるプレートが振動する場合を考えると、その変形形態は大きく変位する部分とあまり変位しない部分が現れます。大きく変位する部分を腹、あまり変位しない部分を節と言います。腹の部分は節から節の間の区間であり、その部分が6~11分割されるメッシュを作成すれば、ある程度精度が確保できるということになります。当然腹の長さは固有モードの次数に依存し、高次になればなるほど短くなりますので、メッシュサイズもそれに合わせて小さくする必要があります。したがって、評価したい最高次の固有モードを基準としてメッシュサイズを決定します。

今回はこれに関して実際に解析して検証してみました。

解析モデル

今回解析したモデルは単なる短冊状のプレートです。サイズは幅50mm、長さ300mm、板厚1.2mm、素材は鉄鋼材料を想定しています。要素は四辺形1次要素を使用し、拘束無しの完全フリー状態で固有値解析を実施しました。評価する固有モードは1次とし、その固有振動数を理論値と比較することで解析精度を検証しました。

理論式

理論値は下式で計算しています。
image001_20120708184416.png
f:固有振動数、λ(4.730):境界条件と固有モードで決まる定数、l:長さ、E:弾性率、I:断面二次モーメント、ρ:密度、A:断面積


λは今回の場合、フリーの境界条件でモード1を評価しますので4.730となります。λの値はモードと境界条件によって異なり、便覧などでは表になって載っているはずです。

この式を用いて今回の解析モデルを計算しますと、モード1の理論値は70.89Hzとなりました。

解析結果

モード1の変形形態は下図のようになります。この場合は全体として一つの腹しかありませんので、全長300mmを何分割するかで評価することにします。
mode1.png


解析結果をまとめた表が以下です。

result_table.png


上記表をグラフとして表したものが以下です。

result.png


これを見ますと、分割数を多くすればするほど理論値との誤差はどんどん小さくなり、6分割で誤差5%以下、10分割では2%以下となりました。そして30分割以上ではほぼ横ばいとなります。

分割数と解析精度の関係は、評価する構造や固有モードによって異なると考えられますが、一般的に言われている”固有モードの腹に対して5~10の節点を配置する(1次要素では6~11分割程度)”は、解析規模と精度の面から妥当な基準と言えるのではないでしょうか。ちなみに私は10分割程度を目安にしています。

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[ 2012/07/09 18:49 ] 技術メモ | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

JIKO

Author:JIKO
 とあるメーカに勤め、CAEを担当する技術士(機械部門)。 コンピュータシミュレーションにより製品の強度や性能を評価するのがお仕事。
 CAE技術者のスキルアップを支援する『CAE技術者のための情報サイト』の管理人。
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