長柱の部材や薄板の面内に圧縮の力が加わると、ある荷重を超えたところで急激に不安定になって大きなたわみが生じることがあります。この現象は座屈と呼ばれ、座屈が発生する時の荷重を座屈荷重と言います。
座屈現象には
オイラー座屈で紹介したような強さ限界以下の荷重で座屈を生じる弾性座屈と、材料の強さ限界の限界に達したことで座屈する非弾性座屈に分類できます。弾性座屈が生じるか非弾性座屈が生じるかは、構造の断面形状と長さの関係で決まります。それらの関係をグラフに示したものが下図です。

縦軸は応力σ(あるいは荷重をとしても構いません)、横軸は細長比λです。細長比は聞きなれないかもしれませんが、細長い形状の度合を表現するパラメータで、値が大きいほど細長い構造であることを示します。定義式は下式(1)のようになります。
・・・(1)
λ:細長比、l:部材長さ、r:断面二次半径ここで、式中のrは断面二次半径で下式が定義式となります。
・・・(2)
r:断面二次半径、I:断面二次モーメント、A:断面積弾性座屈を起こす構造を長柱、非弾性座屈を起こす構造を短柱、それらの間の状態は中間柱と定義しています。グラフ上の安定限界を示す青い曲線以下の領域であれば座屈は起こらないと考えられます。圧縮の力が加わる構造を設計する場合、この安定限界以下になるように検討しなければなりません。長柱に関しては以前説明した
座屈に関するオイラーの式で計算することができます。非弾性座屈に関してはまだまとめていませんが、
ランキンの式というのがあります。これらの公式では単純な構造しか計算することができませんが、設計初期段階における大まかな検討くらいには利用できるのではないでしょうか。
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