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「CAE技術者のための情報サイト」の管理人JIKOのブログ。CAE技術者、機械系技術者向けの技術情報、ホームページの更新情報などを掲載していきます。
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シェル要素でモデル化できる形状とは

シェル要素(ここでは一般的な薄肉シェル要素とします)は薄板物の構造をモデル化するのに用いられますが、薄板物とはどのくらいの板厚を指すのでしょうか?

実は板厚の絶対的なサイズでシェル要素の妥当性を決めるのではなく、構造の代表長さに対して板厚がどの程度かで判断します(板厚/代表長さ)。ここで代表長さとは静的な解析ではモデル化しようとしている面の長さや幅寸法となります。振動解析などでは着目する固有モードの波長で考えます。シェル要素一個のサイズと板厚の関係で決まるのではないということに注意してください。

板厚/代表長さの目安は文献によりまちまちですが、例えばAbaqusでは1/15以下であればシェル要素を用いることができるとあります。それより大きい場合には厚肉シェルやソリッド要素などを採用する必要があります(もちろん要求される精度にもよりますが・・それを解った上で敢えてシェル要素を採用することもあります)。

ちなみにこのような制限があるのは、シェル要素の定式化において以下の仮定を導入しているためです。

・せん断変形を無視
・シェルの法線方向が板の中立面に対して垂直

板厚/代表長さが1/15以下であれば、全体として曲げ変形が卓越するために上記の仮定が満足されます。

シェル要素はソリッド要素に比べて大幅に要素数を減らすことができ、計算も速いので積極的に採用すべきですが、このような仮定に基づいて制約もあることをしっかり認識しておく必要があります。

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[ 2011/12/27 19:00 ] 技術メモ | TB(0) | CM(0)
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JIKO

Author:JIKO
 とあるメーカに勤め、CAEを担当する技術士(機械部門)。 コンピュータシミュレーションにより製品の強度や性能を評価するのがお仕事。
 CAE技術者のスキルアップを支援する『CAE技術者のための情報サイト』の管理人。
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