複素固有値解析とは複素固有値解析とは通常の固有値解析(複素固有値解析に対して実固有値解析とも呼ばれる)では考慮できない減衰や摩擦などを考慮することができます。減衰や摩擦が考慮できますので、各固有モードにおけるモード減衰比についても求めることができます。
振動の不安定モード評価複素固有値解析では振動の不安定性を評価することができます。不安定性とは例えば自励振動のように、振動的な入力がないのに自発的に振動が発生してしまうことです。水の少し入ったグラスの縁を濡れた指で擦ると音が出ることがありますが、これは
グラスハープと呼ばれ、自励振動の一種です。複素固有値解析ではこういった現象がどの振動数でどのようなモードで発生するかについて予測することができます。工業製品でいえばブレーキの鳴きの解析で活用されています。
振動の不安定モードは負のモード減衰比によって評価することができます。モード減衰比が正の値であれば、構造自体が振動を減衰する効果を持っているため、その固有モードは安定しています。しかしモード減衰比が負の値になると振動が徐々に増幅してしまうことを意味し、不安定な固有モードであることを示します(振動が発散してしまうという意味で不安定と表現)。このような不安定モードが解析対象の構造に含まれる場合、ブレーキの場合は鳴きという現象が現れることが懸念されます。
モード減衰比複素固有値解析では、各固有モードで実部と虚部の2つの固有値が計算されます。固有値の実部をα、固有値の虚部をβとすれば、モード減衰比ζは下式で表すことができます。
・・・(1)構造減衰gとして表す場合には下式になります。単にモード減衰比の2倍となります。
・・・(2)固有振動数複素固有値解析で計算される虚部の固有値βは角速度を意味しています。したがって固有振動数fは下式のようになります。
・・・(3)↓よろしければブログランキングにご協力を
にほんブログ村***************************
CAE技術者のための情報サイトFacebookページGoogle+ページ***************************
- 関連記事
-