Q値は電気工学の分野で発振回路の共振ピークの鋭さを表すパラメータとして用いられているようです。機械系の振動分野でもたまに用いられることがありますのでここでまとめておきます。
振動分野におけるQ値は振幅の増大率として認識しておくと便利です。例えば、Q値=10だった場合、ある構造に静荷重Fを加えたときの変位をUとすると、同じ荷重値Fを固有振動数に一致する周波数で加えた時の(つまり共振時の)変位が10×Uとなります。
Q値を減衰比ζを用いて表すと下式のようになります。
・・・(1)ここでζが十分小さいと仮定すると近似的に下式が成り立ちます。
・・・(2)実務的にはζが~0.3くらいまではこの近似式が成り立つと覚えておくとよいです。一般的にζが0.3と言えばかなり大きいですので、ほとんどの構造では式(2)の近似を適用することができると思います。
式(2)を覚えておくと、Q値=10(共振時の振幅の倍率が10ということ)の場合は、減衰比ζは約0.05であるということが解ります。逆にζ=0.05であれば共振時の振幅は静荷重に対して10倍くらいになると予測することができます。また減衰を変化させたときの振幅の変化も見積もることができるようになります。いろいろ検討するときに便利ですので覚えておいた方がよいでしょう。
ちなみに応答のピークにおける減衰比ζと構造減衰係数G、Q値の関係は下式のようになります。
・・・(3)減衰比ζではなく構造減衰Gで考える時は上式で換算することができます。
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