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6.FEM解析結果の応力参照方法|精度の高い解析モデルを構築するために

FEM解析で得られる結果は変位の他、ひずみや応力、ひずみエネルギーなどいろいろな参照方法を選択することができます。

本テーマでは実験で計測した応力値と比較する話をしていますので、FEMの方でも当然ながら応力を参照することになります。しかし、FEMで参照できる応力値は応力テンソル、各主応力(最大、中間、最小)、ミーゼス応力などいろいろな参照方法を選択できるようになっているため、その意味をしっかり理解していないと誤った方法で実験値と比較してしまうことも考えられます。

本項ではFEM解析結果において、実験値と整合する適切な応力の参照方法について説明します。

実測値と比較する場合、主に以下の3つの方法があります。

A:ひずみゲージ方向応力を参照する方法
B:主応力を参照する方法
C:ミーゼス応力を参照する方法

A>B>Cの順で実験値との比較する方法として妥当な方法と言えます。しかし、この順で手間が増えてしまいます。したがってできるだけ手間を省くためにBやCの方法を用いる場合もありますが、
それぞれの応力の特徴、解析対象の応力状態を踏まえる必要があり、注意が必要です。それぞれ説明していきます。

Aの方法

最も妥当な方法です。しかし、ポストプロセッサ上でこの応力を参照する場合、計測ポイントごとに座標系を変更し、ひずみゲージ方向を向いた成分応力を抽出する必要があるため非常に煩雑です。ひずみゲージがグローバル座標のxyzのどれかの方向に向いていればまだ良いですが、対象が複雑な形状をしている場合、計測ポイントごとに、ひずみゲージ方向を向いた座標系を定義する必要があります。したがって座標系を一つ一つ定義する手間と、応力参照時には座標系を切り替える手間の2重に発生してしまいます。

Bの方法

ひずみゲージの方向が主応力に一致していることが前提となります。これまでの経験ノウハウで主応力にピタリと貼れる人がいますが、製品形状によってはピタリと方向を合わせるのは困難な場合もあります。そのような場合、精度が悪くなります。
手間としては、最大主応力と最小主応力を切り替えるだけなので、Aほどではありません。ただし、主応力ベクトルもしっかり確認しておかないと、ゲージの向きと90°傾いた方向を参照している場合があるので注意してください。つまり最大主応力の方向をひずみゲージで計測していたが、FEM側では最小主応力を参照し照合してしまったなど。

Cの方法

ミーゼス応力は全ての方向の応力を加味した評価方法なので、ひずみゲージなどの単軸の応力と比較するのは妥当とは言えません。しかし、ミーゼス応力という一つの参照方法で評価できるため、他の方法に比べれば非常に簡単です。
ミーゼス応力で参照しても、近似的には問題がない状況というのがあります。それには次の条件を満たす必要があります。
まず、主応力とひずみゲージ方向が一致していること、さらにせん断やねじりなどの負荷が加わらないような部位であること。このような状況ではひずみゲージ方向応力とミーゼス応力が一致します。もちろんミーゼス応力は正値しかありませんので、比較する実測値の方も絶対値を取る必要があります。板金ものなどでねじれなどが加わらない負荷状況であれば、概ねミーゼス応力でも問題がないと思われます。

基本的にはAの方法を採用すべきですが、上記のような条件がそろえば簡易的に主応力やミーゼス応力を参照する方法もあるということをです。ただし、応力の意味や対象に加わる負荷状況、その応力分布などを理解し、実測値との照合作業にかけられる工数、要求される精度などを踏まえて適切な方法を選択するようにした方が良いと思います。


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 とあるメーカに勤め、CAEを担当する技術士(機械部門)。 コンピュータシミュレーションにより製品の強度や性能を評価するのがお仕事。
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