私のホームページやこのブログを真向から否定するようなタイトルですが・・
たまにCAEに対する認識というか、そもそも技術者としての考え方に疑問を感じる時がありますので、ここでCAEの位置付けについて考えてみたいと思います。
CAEはコンピュータによって技術的な検討を支援するシステムです。支援ということからも解るように、別にCAEがなくとも技術的な検討は可能です。しかし、最近では何でもかんでもCAEで、一部ではCAE解析の結果ないとだめみたいな風潮もあります。私はそれに疑問を感じるのです。
どんな手段を用いても、設計した製品が要求仕様をしっかり満足するのか、強度的な信頼性は問題ないのか、等々について技術的に説明できれば問題ないと思います。手計算でもよいし、横にらみでもよいですし、もちろんCAEを使ってもよい。技術者として技術的に設計根拠を示せればよいのです。
また、たとえCAEを使ったとしても従来の材料力学的な考え方による検討はやらなくてよいというわけではありません。極端な場合、CAEがあればそんなことは理解していなくても構わないという考え方もありますが、私はそんなことは絶対にないと信じています。コンピュータが設計してくれるわけではなく、設計するのは人間です。設計するに当たって、考え方のベースに材料力学(その他各分野の古典理論)があるのとないのでは、できるもの(製品)に大きな違いがでてくるはずです。
要は過度にCAEに頼るのではなく、自分で技術的に考えることを忘れてはなりませんという話でした。CAEはそんな技術者の"考えること"を大いに支援してくれるはずです。
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